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ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

今でも既にそうなっていますが、今後ウェブから得られる情報だけであらゆる分野の専門知識や技術を身に着けることがますます容易になるでしょう。その帰結として当然ある分野についてはある程度高いレベルの人材が市場に溢れることになる。知の高速道路とその先の大渋滞はこの状況を見事に言い当てています。


また、ウェブが単に情報を検索して参照するだけでなく、著者のようにブログを書き、コメントやトラックバックを通じて議論を深め、さらなる創造の礎となるような使い方をすることもできるようになりました。SNS等のサービスは、自分の志向性に沿ったコミュニティに所属する敷居を低くしました。これらに代表されるように、ウェブの世界では単に知識習得だけでなく、その先の知的創造を含め、学びのツールが充実してきました。


さて、著者はこのような状況での働き方について、大渋滞を抜けて専門性を深めて更なる高みを目指すその道のプロへの道と、そうではなく、高速道路を降りて未開のけもの道をゆく2通りの方向を示します。特に著者は後者の選択肢が今後多様化する、そのような生き方もあること、またそのために必要なのはウェブリテラシーであると説きます。著者ご本人の例として自らの志向性を追求し続け、最適な労働環境を選んでいることや、稼ぎは大きくないが好きなことをしながら安定的な収入が得られるシステムを構築できた例を挙げ、これらを新しい生き方として認知します。


こういう話を読むと、自分の今の置かれた状況に思いを馳せずにはいられません。大渋滞にはまっている実感も焦りもあり、専門性を究める方向は挫折(^^; けものみちもなかなか簡単にはみつかりませんが、志向性を育てるためにも何かについて継続的に書くことはした方がいいと思っています。