コンパクトレンズ

コンパクトで高性能で多機能を求めて

セカイカメラ&ARについて思うこと

最近セカイカメラについての記事をよく見かけるのですが、ものを作ることについては非常に有意義だと思いますが、個人的にはあれをARと呼ぶことには抵抗を感じます。
日本経済新聞
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMIT0f000024092009

今後、セカイカメラが画像認識にまで対応するようになれば、応用範囲はさらに広がるだろう。例えば、店内に陳列した製品ごとに情報タグをつけておけば、カメラがその製品を識別して製品の概要から値段、ほかの色までを個別に知ることができるようになる。街中でセカイカメラを起動させて、店ごとの仮想的な広告を見るといったことも可能になる。

店内に陳列した製品ごとに情報タグをつけて関連情報を入手するという発想はRFIDそのものですね。なんかそういう用途に特化したRFID関連の団体がいくつかあったような気がしますが、最近めっきりそういう話を聞かなくなりました。当時はARという言葉はあまり使われていなくて、ユビキタスがキーワードだった気がします。(まあARもユビキタスコンピューティングなんですが。)


またアノテーションを街中で垂れ流すことがARなのかというと、それは単純に位置情報とメタデータをリンクさせて表示しているだけです。まあそれも一種のARと言えないこともないですが、どちらかというとVR寄りなんじゃないかと思います。上記の例で言えば仮想的な情報空間が街中に出現しているイメージです。なので、こういうモデルだと実際に街中に行く必要性をあまり感じません。実際に有用なのは必要な時に必要な情報を入手できることであって、多種雑多な情報が一度に俯瞰できることはその一部に過ぎないと思うのです。


ただ、セカイカメラの現在の実現レベルについては非常によくできていると思います。コンセプトだけでなく、実際にものを作るということが重要であることを再認識しました。ただ、個人的には関連情報のアイコンではなくて、先のRFIDスカウターみたいに商品情報とか戦闘力といったある一つの情報を専門に扱う見せ方の方が、用途に合わせてアプリを切り替えて使えて便利だと思います。少なくとも街中でカメラを向けたら店舗情報やら特価情報のアイコンがポンポン出てくるよりはいいんじゃないかと。


何だかんだいいつつ、この分野には期待してます。期待ばっかりしていないで自分でも何かやれればいいのですが...