コンパクトレンズ

コンパクトで高性能で多機能を求めて

Kindle DX について

久々に出勤して昼休みにフィードを眺めたらWindows 7 RC版入れてみた記事とこのKindle DXの記事の多いこと。ざっくりしたレビューはこちらが詳しいです。
アマゾンの新「Kindle DX」ハンズオン(動画) | ギズモード・ジャパン
http://www.gizmodo.jp/2009/05/kindle_dx_1.html

大きくなって新登場! 水曜NYでアマゾンが発表した新ワイヤレスブックリーダー「Kindle DX」です。489ドルにて今夏発売。


米国Amazonではすでに予約が始まっており、5分間のCMがみられます。


スペックだけ見ると500gオーバーの重量にむき出しの9.7インチ液晶とそのまま持ち運ぶのはどうかな、とか、一昔前の白黒に戻ってパッとしない印象を受けましたが、CM見るとこれは用途を限ればまあ悪くないと思えるくらいです。


ターゲットは新聞や教科書とのことですが、まず新聞から言うと、購読料が安くて電子媒体だから今まで届かなかった顧客にリーチできる、というのは確かにそういう一面もあるかもしれませんが、私自身はKindle DXで新聞読もうとは思いません。自分の興味のある分野については新聞が質、量ともネットに勝る部分はほとんどないと言っていいと思います。高校生くらいまでは新聞を読んでお行儀の良い論説文を見習う、という良さはあるかもしれませんが、私くらいの歳になってくるともう興味の対象を絞ってネットと良質のソース(専門誌、学会誌、セミナー等)にシフトしますから、うちで新聞を取ってる理由は折り込みチラシが時々お得情報を運んでくれることと、新聞紙が梱包材や着火紙や子供の遊び道具になること、くらいです。嘘です。妻は活字中毒なので、朝から隅々まで読んでます。とにかく、引っ越したらまずどこかの新聞屋が勧誘にくるような日本では、新たな顧客層開拓は難しいと思います。紙じゃないと家族で回し読みできないし、Kindleあるから新聞取り始める、というようなことにはならないんじゃないでしょうか。


次に教科書ですが、これもない気がします。海外の教科書は分厚くて情報量が多いので持ち運びに苦慮するそうですが、日本の教科書は大学のものですらペラペラでポータブルであることと、講義の担当教官が毎年自分の著書を教科書に指定するので先輩から後輩へ長年試験問題&回答とともに受け継がれることから、わざわざ紙媒体の良さを放棄する必要性がありません。高校までの教科書はもっと酷いと思われます(教科書検定を巡る一連の教育利権絡みという意味を含む)。どちらかというと、参考書とか塾や通信講座のテキストならあるかもしれません。学会誌もPDFで配布してたりするし、そういう用途は十分考えられます。


まあアメリカと日本じゃ状況が違うから、そのまま持ってきてもなかなか普及しそうにないと思ったのでした。電子ブックリーダーでは松下やSONYが失敗してますし。


個人的に欲しいか、と言われるとあまり用途がないです。職業柄、大量のテキストデータというとRFCIEEEの仕様書なんかを読むことが真っ先に思い当たりますが、リファレンス的な用途の場合、付箋を貼ったりマーカー引いたりと紙媒体の方が格段に効率が良いと思います。ただ、データとしてはいつでも印刷できるように電子媒体で持っておきたい。となると、KindleのようなリーダーよりPCで管理した方が良いと思います。ニュースは基本iPhoneで斜め読み、BylineとTwitterfonでおなかいっぱいです。


ということで、275000冊のコンテンツの売り上げ冊数(金額ではない)のうちKindle版が35%、という部分が衝撃だった以外はちょっと騒ぎすぎなんじゃないかと思いました。連休明けだし、似たようなネタがポストされるのはしょうがないということでしょうか。