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標語とか

今日も夜遅く満員電車にゆられて死んだ目のヨレたサラリーマンが家路についていました。何となくぼんやりした頭でふと前を見ると何か標語らしい文字列が目に入りました。


「なくそうよ 割り込み 駆け込み すべりこみ」


か何かそんな感じ。まあこんなの呼びかけても駆け込むヤツは駆け込むし、そうでなくても本気で急いでたり、1つ前の電車にぎりぎり乗れそうだったりするとついダッシュしてすべりこみたくなるのが人情。心と時間に余裕があればあっさりスルーできるかもしれませんが、人間常に余裕のある人ばかりではありません。また焦って駆け込む人を遠巻きに眺めて理由を妄想するのも楽しいものです。


そんなこんなで何が言いたいかというとこんな標語貼り付けることが人々の深層心理に働きかけて駆け込み乗車が減るということは考えにくいし、誰もがそう思っているはずなのに、交通安全週間だとか人権擁護週間だとかいろいろな機会にかこつけて標語を募集するのは何かをうまいこと言いたい人がたくさんいて、何かをうまいこと言って欲しい人もいるということです。つまり何か推進したいものとか、禁止したいものとか、啓発したいことがある人はそれを短い言葉で表現して欲しい、標語はその表現の一つということです。


だから、それって効果あるんだっけ?とか考えちゃダメなわけです。端的に言うと自己目的化ってやつです。でなければ取って付けたような素人の思いつきみたいなのが(地方のローカル線とはいえ)電車内にはっつけてあるわけがない。コピーライターやその道のプロが前衛的でファッショナブルな標語を考えても多分奇抜過ぎて元のお題が分かるか分からないかのスレスレをニヤリと笑える人でないと通じないので標語には向かないと思います。私の勝手な思いこみですが。標語はあくまでアマチュアの、ちょっとうまいこと言いたい人向けのエンターテイメントであると言えます。


標語は微笑ましくスルーするのが正しい鑑賞の仕方と言えましょう。深く追求しても多分得られるものは少ないと思います。私の勝手な思いこみですが。